帯の作品 

帯8号 峻帯抄 2022年2月1日発行
銀帯集同人作品より
金柑の一つ二つは星になる     きくよ
唇で結べば香る冬菫        彼岸太
行きすぎてそれと確かむ弟切草   鈴子
流れ星確かなものは幽かなり    圭子
満月へ落羽根ひゆつと飛ばしけり  秋沙
鍵穴のよく見ゆるなり星月夜    伊都子
白桔梗こころ決めたるとき開く   菫
骨壷の骨の冷めざる良夜かな    茂
秋彼岸どこかで雨戸を閉めてゐる  まさ子
月涼し昭和の階段ぎしと鳴る    早苗
里山の故郷に似て仙人草      惠美子
秋出水否といふ神をらぬらし    蒼

第4号 峻帯抄 2021年2月1日発行。
銀帯集同人作品より
晩年や現顔なる浮寝鳥       きくよ
梟の目玉に負けず睨みあふ     彼岸太
みづうみを辷る月光無音なり    鈴子
終戦日白いノートは白きまま    圭子
蟷螂を手中にしたるさびしさよ   秋沙
落としたらこはれる心竜の玉    伊都子
水澄むを見てゐる赤き橋の上    まさ子
あふぎみて月は俯く研師かな    茂
底紅や梯子あるなら降りてゆく   夏子
どんぐりのかたき思考の色は青   蒼

藍帯集会員作品より
釣り人のそびら触れゐる冬茜    昭子
朴の葉のばさりと秋を落としけり  健
燈火親し侍の世にまつしぐら    美代子
木犀の一樹に雀睦み合ふ      浩子
梨園の売切れ札の風に揺る     志代子
大屋根に狐でさうや曼珠沙華    陽子
天賞の厚物咲かせ大工老ゆ     輝子 
にがうりの万葉仮名のゆれの蔓   煥子
追はれたきところまで跳ぶ飛蝗かな 好雄 
蓑虫の籍なき軒にゆれてをり    のり子

現在、同人会員約50人が参加しています。

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